2011年8月5日金曜日

『New Yorkのコワーキング・スペース「New Work City」創業者と語る新しい働き方の可能性』


昨日(2011年8月3日)、コクヨ「エコライブオフィス品川」で開催された『New Yorkのコワーキング・スペース「New Work City」創業者と語る新しい働き方の可能性』に参加してきました。

このイベントは、タイトルにもあるようにニューヨークのコワーキング・スペース「New Work City」のMayorであるトニー・バッチガルポさんをメイン・スピーカーにコワーキングとはどんなものか、日本のコワーキングはどのような状況かを俯瞰できるとても有意義なイベントでした。

イベントの状況は、主催の市川さん(ソーシャルカンパニー代表)がまとめた Storify や、PAX Coworkingで一緒に仕事をしている藤木さんブログエントリ に詳しくまとまっています。また twitterのハッシュタグ #coworking_jp で検索していただければ、当日の盛り上がりが判るのではないかと思います。


1年ちょっと前にこのブログを始めた頃は「Coworking / コワーキング」という言葉を知っている人が日本ではかなり限られていたに違いないのですが、今回のイベントは定員(80名)を大幅に上回る応募があり、キャンセル待ちが出るほどの盛況でした。僕自身、日本のコワーキングにずっと関わってきているのですが、これほどまでにコワーキングが注目されているとは正直思っていませんでした。なにかブームの前触れのような熱気がありました。

トニーさんの講演のなかで有名なマズローの自己実現理論のピラミッドを提示しピラミッドの頂点の部分(自己実現の欲求とされる部分)を「?」としてコワーキングがこのエリアへの導入となるのではないか、という話をしていましたが、この「?」はコワーキングを表わす、すごく象徴的なものだと感じました。

最近、コワーキングで何ができるか、コワーキングは何をするものか、という話題や質問に比較的よく触れます。これはコワーキングが注目されてはじめている証左でもあるのですが、この質問がある度に僕は「コワーキング自体には何も答えがないですよ」と答えるようにしています。

それは、コワーキングで何ができるか、というのは誰にも分からない。というか、コワーキングはその場にいる人々の関わり合い、コミュニケーションそのものなので、実現できるものというのはそれぞれのコワーキングで全く違うものになってくるはずだからです。

コワーキングは単なる(だけどとても適応力のある)プラットフォームなので、その上で発生するコミュニケーションは、どのような形にでも変化しうるし、とても運が悪い場合には、もしかしたら何にもならないかもしれない。もちろん、とても素晴らしいものになる可能性も大いにあります(実際素晴らしいと感じる人が多いわけですが :-))。

そしてそういうふうに、一体どんなものになるのか誰にもわからない、だからこそコワーキングは多くの人を惹きつけるのではないか、というように僕は考えています。

今後、行政の支援という話も色々と出てくるかもしれないし、もしかしたら企業がビジネスとして始めることもあるかもしれません。それ自体は良いことだと思います。しかし一方でそこでは事業計画的なものが求められがちです。そして計画とは未来に起こることを現時点で予め規定することです。一方何が起こるかわからないのがコワーキングです。何が起こるかわかってしまったら、つまりそれは「?」を規定することなので、それはきっと全く魅力のないコワーキングとなってしまうはずです。

コワーキングはとても手軽にすることができます。以前、エントリを書きましたが、家でだって出来るのです。なので、コワーキングしてみたい、と思った方は、コワーキングスペースに出向くのもよし自宅でやってみるのもよい、公園でもできます。まずはぜひ体験してみてください。

そしてそこで出来たポジティブなフィードバックを持ったコミュニティは、新たに人が自然と寄ってきて活性化していきます。これを一度体験したらきっとやめられなくなります。東京で今どんどんコワーキングスペースが出来ていっているのは、その証拠です。それくらい魅力的なものです。

久々に長く、しかもごちゃごちゃと色々書いてしまいましたが、その位面白いイベントでした。トニーさんによい刺激をうけました。

トニーさん、市川さん、出演者、スタッフの皆さん、会場にいた皆さん、ありがとうございました。このイベントをきっかけに、より多くの人にコワーキングを体験してみていただければと願っています。

それでは。

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