2010年6月30日水曜日

経堂のCoworkingスペースの名称が「PAX Coworking'S'peace」に決まる

先日のエントリー「株式会社旅と平和が世田谷区経堂でCoworkingスペースを7月から開設」でお伝えした7月から経堂(東京都世田谷区)でスタートする新しいCoworkingスペースについての続報です。

創設者である佐谷恭さんが「Coworkingを始めるわけ #coworking」というブログエントリーを書いています。

名称は「PAX Coworking'S'peace」となるようです。この「PAX」の由来についてこのように書かれています。

「PAX」は"Positive and Active Exchange"の略であり、ラテン語で平和を意味する"pax"でもあります。オフィスを区切って貸すのではなく、区切らずに自由に空間を使いながらアイデアや意見を積極的(positive)・活発(active)にぶつけあい(Exchange)、そこで生まれる成果をシェアする場所にしたいと思っています。

Positive, Active, Exchangeそして平和。素晴らしい名前だと思います。

そして設立の理由として、次のようなことを挙げています。
アイデアは席に座っているより友人と話しているとき、歩いているとき、カフェにいるときに思いつくものだと考えています。図書館のような静かな空間より、多少の雑音や一見無関係そうなヒト、モノ、コトに囲まれているときに湧いてきます。
これは僕も実感します。核になるアイデアは自分のなかで生まれたとしても、それが具体的に形づくられて明確になっていくのは周囲との関わり合いのなかです。優れたアイデアは周囲とのインタラクションによってより明確に具体的に魅力的になっていくのだと思います。

このCoworkingへの参加条件は、こんなかんじです。
起業しようとしている人や、自らのアイデアをビジネス化しようとしている人、常に新しい企画を考えたい人たちと肩を並べながら、僕自身の頭の中にあるアイデアをほかのcoworkerとシェアし、自分または誰かが次々に実行していけば面白いと思います。単にオフィス空間や住所がほしいというだけでなく、「自分以外の人のためにも生きる人たち」「地域社会や世界をよりよくするために事業を行う人」を入居の条件にします。
単に場所や住所が必要ならレンタルオフィス、バーチャルオフィスでも十分なわけです。そうではなくて、他の参加者とコラボレーションし、シェアしていくというのがCoworkingですね。

2010年6月29日火曜日

Coworkingの定義-名詞ではなくて動詞

また海外のブログ記事の紹介になりますが、「Redefining Coworking」という記事です。訳すと「Coworkingの再定義」となります。

Coworkingの説明として一般的なのは「フリーランサーが集ってコラボレーションしたりするカフェ的な空間」というような、どちらかというと場所を指す名詞として使われているのだけれども、実際やってみると、Coworkingは場所/空間ではなくて、コミュニケーションやコラボレーションそのものが、Coworkingなのだということがわかったということが書いてあります。名詞ではなく、動詞だと。

だから逆にネット上のバーチャルな空間でもCoworkingできるのかもしれないね、とも言っています。

こうやって書くとたいしたことないように思えるかも知れませんが、この「名詞ではなく動詞だ」という指摘はとても大事なようにおもいます。

これから日本でも徐々にCoworkingが広がってくるのではないかと思います。が、単に不動産の空きスペースを使って家賃収入を、とか、レンタルオフィスをリブランディングするために目新しい「Coworking」というキーワードを使っちゃおう、というような、いわば名詞的アプローチだとたぶんそのCoworkingスペースは成功しないと思います(ビジネスとしてはもしかしたら成功するのかも知れないですが、ここでいいたいのはそれとは違います)。

Coworkingは参加する人々が創りだすコミュニティという動詞的なものです。人々が集まりソーシャルに仕事を始めたらそれはCoworkingです。

2010年6月27日日曜日

手軽にCoworkingできるJelly!

Coworkingに興味はあるけど、いきなり本格的に始めるのもちょっと不安だし手軽に試せればいいのに、と思ってたあなた、Jelly!というイベントがありますよ。

Jelly!は、誰かの家やコーヒーショップやオフィスで定期的だったり不定期に開かれる、Coworkingなイベントです。みんなでノートPCをもって寄り集まり、ガヤガヤと仕事します。

もともとは2006年にニューヨークでルームメイト同士のふたりが「他の人も呼んでブレインストーミングしたりしながら仕事したら楽しいんじゃない?」ということで始めたのがきっかけのようです。そしてこれがとてもうまくいったので定期的にやることになって、今ではアメリカやイギリスを中心に100都市以上で開催されています。誰かがJelly!をやりたいと思ったら、やってしまえるわけなので、どんどん広がりますよね。こちらのWikiが詳しいです。このWikiでどこでいつJelly!が開催されるのかが掲示されているので(残念ながら日本にはまだ無いみたいですが)、参加も簡単にできますよ。

どんな雰囲気なのかは(もちろん場所によって違うのでしょうが)、こちらのビデオがわかりやすいかもしれません。

What is Jelly? from Amit Gupta on Vimeo.

Jelly!は言ってみれば勝手に始められるものなので、場所がある人、何かやってみたい人は是非やってみましょう(東京だったら僕も参加できるかも)!

2010年6月25日金曜日

ノマドになった?Coworkingしよう

今日は海外のブログ記事「Gone Nomading? Try Coworking」の紹介です。「ノマドになった?Coworkingしよう」というようなニュアンスでしょうか。

Gone Nomading」(ノマドになった)という記事への返答というかたちで書かれています。この「Gone Nomading」という記事はTerralienという米国の会社の人が書いたものです。Terralienはシステム開発の会社(Ruby On Rails専業みたいです)で、オフィスを持たずに他のメンバーとはネット上でつながり自宅で作業をしていたのだけど、ノマドなスタイルで仕事をするようにしてみたらとってもいいかんじだったので、最近はTerralienのメンバーはよくノマドに仕事をしているよ、というような内容です。

それに対して「Gone Nomading? Try Coworking」のほうは、ノマドは最初はいいんだけど、だんだん問題が出てくるよ、と言っています。1日に何件もコーヒーショップをはしごすることになるし、そうすると毎回コーヒーやスナックを買わなくちゃいけないし、お店の人の目を気にしながら電源を使うことになるし、あまり長くいられないし、Wifiはぶつぶつ切れるし、トイレの時に20万円もするコンピュータをテーブルに置いていけないでしょ?と。確かにそうかも。

Coworkingスペースであれば確かにそんな悩みはなくなりますね。それにそこに集まってきた様々な業種の人とも知りあうことができます。カフェだとなかなかそこまではできませんよね。

ノマドなワークスタイルもそれはそれでメリットも多いので、Coworkingとの使い分けをするのが一番よいのかもしれませんね。

2010年6月24日木曜日

Coworkingな人のためのAndroidアプリ

世界中のCoworkingスペースを見つけるためのAndroidアプリです。新しいCoworkingスペースを登録したり、Coworking仲間が今どこにいるのかを把握したりできるようです。

国内でも徐々に話題になってきているfoursquare のCoworking特化型サービスのような位置づけでしょうか。

例えば「今日はデザイナーのAさんともしかしたらコラボレーションできるかもしれない仕事についてちょっと話したいなあ」と思ったら、Aさんが今どこのCoworkingスペースにチェックインしているかをこのアプリを使って見つけて、Twitterで連絡をとって、Aさんのところへ打ち合わせに向かう...なんてこともできそうです。

個人的にはiPhoneユーザなので、iPhone版が出て欲しいですが、国内でもCoworkingスペースが普及してくれば便利なサービスになりますね。もしくは長めの海外出張なんかで仕事場を確保したいときなんかにも便利かもしれません。


参考記事: http://apphoshies.com/main/apps#coworking
開発元: http://www.desciens.com/work/coworking-app/

2010年6月23日水曜日

株式会社旅と平和が世田谷区経堂でCoworkingスペースを7月から開設

東京都世田谷区経堂で世界初のパクチー料理専門店「パクチーハウス東京」を経営する株式会社旅と平和が7月から同店の上にCoworkingスペースを開設することを発表しました。

こちらがプレスリリースです。「空間と成果をシェアするPieceOfPeace Coworking'S'peace

名称は(まだ仮称のようですが)「PieceOfPeace Coworking'S'peace」(PCCS)になるということです。
PPCSを利用すれば、起業前後にかかる諸費用を軽減できるだけでなく、お互いのコラボレーションを促したり、パクチーハウスその他の空間を使って効果的なネットワーク構築やプ ロモーションができます。経営資源の少ないスタートアップ起業家や、独立事業主にうってつけの空間です。"社会起業家"とは、一言でいうと「自分以外の人のためにも生きる人たち」のことです。地域社会や世界をよりよくするために事業を行う人が集う場となります。営利・非営利は問いません。
 社会起業家にスポットを当ててらっしゃいますが、営利・非営利は問わないということで、幅広い人々が利用できることになりそうです。
事業計画作成支援や専門家紹介サービス、LAN回線など業務必需品などの基本サービスを整えるほか、USTREAMで生中継ができる環境も用意致します。PPCS内だけでなく、外部との情報受発信を通じて、独立(小規模)事業主が飛躍的に成果を出せる環境です。
また、LAN回線やUSTREAMの中継環境も用意されるということで、様々な活用ができることになりそうですね。楽しみです。

小田急線経堂駅から徒歩3〜4分ということで、都心からはちょっと離れていますが、逆にCoworkingをするためにはちょうどよいかもしれません。私も以前経堂に住んでいたことがあり、個人的にも親しみのある街です。下北沢ほどの賑わいはありませんが、人々の往来も多く、リラックスしながらも様々な人々と交流ができるのではないでしょうか。

私の知っている限り、東京で初の本格的なCoworkingスペースになりそうな予感です。現在住んでいるところからも近かったりするので、是非伺ってみたいと思っています。

本当に楽しみです。

経営者の佐谷恭さんのTwitter: @paxi

2010年6月22日火曜日

不況で注目が集まるCoworking

Co-working has wider appeal in recession」 という記事より。

Coworkingが、ソフトウェア開発者やクリエーターといった職種以外の人からも注目されるようになってきたということです。何故か。

その理由は「不況」。

不況の影響で、今まではフルタイムで働いていた人が週4日間だけの勤務に減らされてしまったインテリアデザイナー。昼間の仕事が終わってから更なる収入のために夜にもうひとつの仕事をこなす人々。今まではあまりいなかったこんな人達がCoworkingスペースを利用するようになったということです。サンフランシスコのCoworkingスペースでは、当初7人のCoworkingスペースが24人に増えたとのことです。

フリーランスや小規模な事業の長所はフットワークの軽さだと思いますが、Coworkingスペースを活用することで、それを存分に発揮することができるようになりますね。

クラウド化とコンピュータのモバイル化がより進むことで、この流れは更に加速されていくのではないでしょうか。

2010年6月20日日曜日

coworkingとは(1)

このブログをはじめて数日ですが、肝心のcoworkingとは何か、ということについて書いてませんでした。

この言葉が出てきてまだ数年で、日本ではまだほとんど普及していない状態ですので、色々な人の定義があると思いますし、まだまだこれから変わっていくものだと思います。しかしだからといって何も書かないのもよくないですし、ブログとはその刻々と変わっていくものを追い続けるものだったりしますので、現時点での私が考えるcoworkingというものを、たまに書いてみる、というのがよいのでないかと思ってます。

ですので、とりあえず、このブログを始めた今時点での個人的に思うcoworkingを書いてみます。

まずノマドという言葉があります。ノマドというのは、遊牧民というような意味ですが、都市のなかを遊牧民のように渡り歩きながら仕事をする人のことを指します。たとえばスターバックスなんかでノートコンピュータを開いてイー・モバイルでインターネット通信をしながら仕事をするような人のことです。私自身もそのようなスタイルで仕事をすることが多いです。

インターネット、モバイルインターネット環境、クラウドといったものが普及し、整ってきたことによってこのような働き方が可能になってきました。事務所といった固定の場所や、大量の紙の書類といったものが、不要になり、それらに縛られて仕事をする必要がなくなったことによる比較的新しいワークスタイルです。国内でも認知が広がりつつあります。

例えば、佐々木俊尚さんの「仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)」という書籍でとても詳しくノマドについて記述されています。

そこでCoworkingとか何か。

簡単にいうと、ノマドというのは都市のなかを回遊しながら仕事をする人々ですが、Coworkingはノマド達がたまに戻って来れるベースキャンプの ようなスペースとそこから生まれるコラボレーションやコミュニケーションを指した概念、 ということになると思います。

例えば、勉強会なんかもCoworking的な要素が含まれていると思いますが、Coworkingはもっと目的意識の希薄な、というと語弊があるかもしれませんが、例えばtwitter的な空間といえばよいのでしょうか、ゆるく空間を共有している中から新たな何かが生まれるかもしれないというようなものです。 ですので、 単なるスペース貸しやオフィスシェアリングとは違います。

先日このブログで紹介した日本初のCoworkingスペース「カフーツ」の「CoWorkingとは」という文章でも強調されているように、人とのコミュニケーションを重視しています。「Coworkingする5つの理由」というエントリーでも記載があるようにコネクション、コラボレーションがキーワードとなっています。

ですのでCoWorkingの参加者はサービスを利用する、という立ち位置(も当然ありなのですが、それだけではなく)ではなく、他の参加者と一緒にコミュニティを作っていくというより能動的な意志が必要になってくると思います。神戸のカフーツがカフーツ(仲間という意味)という名称にしたのもそのような意識のあらわれではないかと思います。

もちろんコミュニティだけではない、実利的な部分も魅力としてあったりするのですが、単なるオフィスシェアとは違う点としてコミュニティという部分が挙げられるのではないかと思います。

2010年6月19日土曜日

福岡のCoworking?

詳細は不明なのですが、YouTubeで見つけた映像です。テレビの情報番組で福岡でCoworkingをやっているのを紹介しています。

ただCoworkingという言葉ではなく、オフィスシェアリングと言ってたり、メンバーが固定されているようなので、厳密にはCoworkingとは言わないかもしれないです。

しかし、インタビューではコミュニケーション、コラボレーションについて言及されていて、まさにそれはCoworkingの価値観ではないかと思います。



名前など詳しい情報は全く出てなかったのが残念です。もし、こちらの情報をご存知のかたがいらしたら、コメント欄やTwitterで是非ご連絡ください!

2010年6月18日金曜日

Coworkingする5つの理由

Coworking(コワーキング)はフリーランサーや小規模なスタートアップ企業家たちのワーキングスタイルとして注目され始めていますが、彼らは何故Coworkingという形態を選ぶのでしょうか。「Top 5 Reasons For Coworking」というブログエントリーでCoworkingする5つの理由が挙げられています。

1.生産性
例えば家で仕事をしていると... いくつもの締め切りが重なってアップアップしているのに、テレビはついているし、そこにあるベットは何だか気持ち良さそうだし、ペットの犬はまとわりついてくるし。そして仕事を助けてくれる人は誰もおらず、さらには隣の部屋で子供がぎゃーぎゃー叫んで遊んでいる... こんな環境では生産的になれないですよね。

2.プロフェッショナリズム
ある新たな見込み客との電話で...

見込み客:WEBサイトをみたんですが、あなたの実績はすばらしいですね。私たちを手助けしてくれる信頼できるベンダーを探してるんです。あなたはとてもよさそうだ。とてもプロフェッショナルな人なのでしょうね。
あなた:ありがとうございます。
見込み客:そちらのオフィスに伺って色々要件とかを詰めたいのですがよろしいですか?
あなた:ええ...そうですね... スタバとかどうですか?よくそこで仕事してるんで。
見込み客:...そうですか、わかりました。それじゃあ、ほかにも何社か候補があるんで...また連絡します。(ガチャ)

携帯電話やメールアドレスやコンピュータ、銀行口座、ソフトウェアなんかがないと仕事にならないのに、なぜオフィスは持たないのか?ちゃんとしたオフィスで仕事をすることでよりプロフェッショナルになりますよね。Coworkingすることで、あなたのビジネスはよりプロフェッショナルになります。

3.コネクション、コラボレーション
ひとりで働くのは楽しくないし、いいものじゃないですよね。Coworkingは場所を提供するだけじゃなくて、コミュニティをも提供します。似た境遇のフリーランサーや起業家たちと一緒にいることで、それぞれの能力が合わさることによって色々なシナジーがうまれてきます。WEBデザイナーとプログラマー、ブランディングの専門家とPRの専門家とのコラボなどなど。

Coworkingは毎日がBarcampみたいなもの、というとちょっと大げさな気もしますけど、あながち間違ってはいないと思います。Coworking はプロジェクトでコラボしたり一緒に仕事したりすることで、参加者にシナジーや様々な仕事のきっかけをもたらします。

4.自分を豊かにする-セルフ・エンリッチメント(Self-Enrichment)
セルフ・エンリッチメントもフリーランサーがCoworkingスペースに集う重要な要素です。他のレベルの高い人たちと共に仕事ができるというのは、とても有益ですよね。

ペア・プログラミングでスキルの高い人と一緒にプログラムを組むようなもので、そのような環境におかれると人はとても能力が向上します。こういったこともCoworkingの重要な要素です。

5.インスピレーション
みんな、インスピレーションが必要です。コミュニティに参加することで、インスピレーションが湧いてきます。一人で考え込むより色々な人とのコミュニケーションからアイデアが生まれてくるものです。



2010年6月17日木曜日

神戸のCoworkingスペース「カフーツ」が神戸新聞に紹介されました

日本初のCoworkingスペースとして神戸で開設されたカフーツが、神戸新聞で紹介されています。

ウェブ制作者に共用スペース 神戸の男性が開設」(神戸新聞)

カフーツは、神戸で活躍するWEBプロデューサーの伊藤さん(@kanzan10to9)が設立されました。伊藤さんとは何度かTwitterなどでやりとりさせていただきましたが、このカフーツに非常に情熱を注いでいらっしゃいます。決してお若いわけではないのですが(失礼!)、そのバイタリティには感服しております。

記事にCoworkingという言葉が出なかったのが、残念ですが、まずは日本のCoworking史の第一歩が記録されたことを喜びたいと思います。

Coworkingについての情報提供を開始します

Coworkingが世界的に注目を集め始めているなかで日本国内では認知度も低く、まだまだこれからの状況です。

国内のCoworking情報の収集、提供ができればと思い、このブログを始めました。

どこまで出来るかはわかりませんが、Coworkingが国内で普及することの一助になればと思ってます。